くまお フォルテッシモ

ドイツの音大に突如現れた くまおの日記

くまお、旅立ちの巻

くまおです。


先日生まれてからずっと住んでた日本を発ち、ドイツでの生活が始まりました。

ドラマとか漫画とか映画の見過ぎで、出発前は、空港でお母さんの顔見て泣いちゃったりするのかなとか。恋人が駆けつけて「やっぱり行くな!くまお!」って出発ロビーで言われてドキドキしちゃったりするのかなとか、考えましたけども。
両親が見送りに来てくれたけれど涙は出ず、むしろドライアイ気味で。恋人に至ってはよくよく考えたら最初からいなかった 。あっ今更涙が……

 

そういうわけでさらりと日本を出ましたが、実は今回は別の意味でドキドキの出国だったのです。
というのも、飛行機のチェックインをする時に「ビザを取っていないとドイツ入国が厳しいかもしれない」と航空会社のおねえさんに心配されたからなのです。

そう、これこそ
>>>ドイツの学生ビザ、ドイツに行ってからしか取れない問題<<<

これです。はっきり言いましょう、めんどくさい。

ワーホリビザ(ワーキングホリデービザ)や就労ビザなら日本で取れるみたいですが、学生ビザはドイツで取るしか方法がなく、今のところ私は観光ビザしか持っていないのです。復路のチケット( 留学生用の日付変更可能チケット)もあるにはあるけれど、観光ビザの90日を超える日数をドイツで過ごす予定なのは若干不安が残ります、とおねえさん。特に最近は難民も多く、ドイツへの入国はなかなか厳しいんだとか。

いや私もね、一人で運ぶにはどう考えてもでかすぎるキャリーバッグ2つと、バックパッカー並みに重いリュック背負っててね、自分で言うのもなんだけど怪しい。だってしょうがないじゃん!郵便だと液体とか薬は送れないって聞いてたから、キャリーの反面薬だらけなんですよね。 パブロンとか。正露丸とか。もうまじ、輸入業者に疑われたらどうしようってかんじの内容で。

たぶんおねえさんは心配して言ってくださったと思うのですが、もう半分脅しにしか聞こえなくて。こえーこえーと思いながら11時間半のフライト中一睡もせず映画観てました。とても楽しかったです。


フランクフルト空港の入国審査のカウンターは、入国審査官2人がひとつのブースに入っている感じなのですが、見渡したところ、

男女 男男 男男

だったので、まぁ普通に応対柔らかそうな女の人のところ行きますよね。こっちは内心ビクビクしてるんで。ガタイのいい眼光鋭い男の人にまくしたてられたら話せるものも話せない。
女の審査官の方(国は違うけれどエマ・ストーン似)は幸いとても親切な方で、ドイツの大学に入学すること、何年こちらに住む予定かということ、ビザはドイツで取ることを伝え、入学許可証と残高証明(日本の銀行で作った英文・ユーロ建て)を 見せたら意外にもすんなりクリアでした。が!!


まだ私の審査が終わらないうちに、隣の男の入国審査官が私になんか言ってきまして。それだけでかなりパニックだったけれど、どうやらその入国審査官に審査してもらってる日本人のおっさんがドイツ語分からないから通訳しろってことらしくて。
いや待って、私も審査してもらってる途中なんだけど!とエマ・ストーンの方向いたらめっちゃ笑ってるしで、いやほんと待って。
緊張しすぎて顔も覚えていないツルツル頭の審査官、まー聞き取れない。早口すぎて。めちゃゆっくりもう一回言って!と言っても早口で、結局3回くらい聞き返してやっと意味が分かりました。
入国審査で一番つらかったの、通訳ってどんなレアケース?


やっとの思いで入国審査を通過したと思ったら、一難去ってまた一難。
お次は25kgのキャリーバッグ2つと共に家にたどり着くこと! !
冗談抜きで、腕もげそうでこわいこわい。

家はフランクフルトではなく、しばらく新幹線的なものに乗らねばならず……。フランクフルトの第1ターミナルから直結のFrankfurt
am Main Flughafen駅へ。途中に普通電車(S Bahn)のホームもあったり、おいしそうなパン屋さんがあったりしますが寄らずにFernbahnhof(長距離列車用) まで頑張って歩きます。きれいなアーチ状のコンコースの中に、 DB Reisezentrum(みどりの窓口のようなもの。赤い看板 )があり、そこで切符を購入。気前のいいおばさんが冗談交じりに対応してくれました。

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さて新幹線的なもの、もといICEは乗車するときに数段階段を上らなくてはならないという。
パッキングの段階からうすうす思ってたけれどこれ絶対無理だわ。 ホームで待ってたら通りすがりの少年に「あのお姉さんのバッグでけー」 って言われた気がしたけど、ほんとにそう。私もそう思う。あと少年、私ドイツ語チョットワカル。

けれどなんと同じドアで待ってた優しいドイツ人のおじさんが乗る時も降りる時も手伝ってくれたので、私の腕は今も無事くっついてます。助け合いの精神が素晴らしくて泣ける。私今のところ何も助けてないけど……

そんなこんなで辿り着いた家ですが、自然が多いせいかクモちゃんとクモの巣だらけだったので、帰って早々フラフラになりながら掃除しました。もし地獄に落ちても蜘蛛の糸垂れて来ないな……ごめんなクモ。

というわけで一難去ってまた一難だったけれど、色々助けてもらってどうにかなった、くまおのドイツ生活初日でした。


つづく